卒業生からの連絡
職員室の電話が鳴った。
市内に住む卒業生からだった。
進路先の様子を話しているが、どうも口調が重い。
卒業して何年過ぎても声の調子でわかる。
それとなく話を進めるといろいろ話しだす。
ずっと考えていたり、悩んでいたりしたんだろう。
それがそれが、台風19号の被害が身内に及んだことで
自力で抱えきれなくなったのだろう。
「よく電話してきたね。勇気出して電話したんだね。偉かったね。」
アクションを起こすことがが大変なこともあるのに、
よく話してきてくれたね。
今の時代の学生は、
お利口さんに、折り目正しく、学校の先生の話をよく聞いて
昔の私のように
廊下を駆け足で通り過ぎて、先生に大目玉をもらう学生はとても少ない。
大目玉をもらい過ぎたので(笑)
結構打たれ強い性格になった。
電話の主はこれから学校へ行くという。
がんばって、すごしておいで。
時間ができたらいつでもおいで。
バスに乗って、バスに乗ったらいつでもいるよ。
はい、とかけてきた最初からは少し明るい声が返ってきた。
一度学校の門をくぐった学生は最後まで教え子だ。
学生の一生に係れることはもちろん少ないが、
私の「安心顔」が功を奏すなら、いつでもおいで。
会って、話すならタダだから。
その子の勇気が嬉しい時間だった。